ストーリー

「ねーねー、パパぁ」夏祭りの晩、俺はひとりの女の子を拾った。神社のご神木が雷で倒れて、その根元からかぐや姫よろしく現れた小さな小さな女の子……身寄りのないその子は、なぜだか俺にすごく懐いてて、なりゆき上、その子「ヒメ」をうちで世話することになってしまう。それはいい。けど、事はそれだけじゃ済まなかった。巫女さんでクラスメイトの「澤宮史織」や、女流剣士として有名な「阿刀椿姫」先輩までもが、うちに住み込むと言いだしたのだ!幼なじみの「日野原恵」も、なぜだか今まで以上に絡んでくるし!なんでこうなる? ヒメが「神様の御子」だって?何を言ってるんだか。神なんているわけないだろ――「ヒメ、おっきくなったよ!」――って、いきなりオトナに育ってるし……!?いっしょにお風呂に入ったり、いっしょの布団で寝たりするくらいちっちゃかったヒメが、同い年くらいに急成長するとか、すごく困る!オトナの身体で今まで通りに抱きつかれるとか、ものすごく困る……!!ヒメとどう接したらいいんだ? この胸の内に湧いてくる熱い気持ちは何なんだ……!?俺の戸惑いなんてお構いなしにヒメはくっついてくる。日々はゆるやかに移ろい、夏の終わりへと傾きはじめる……ヒメと俺の思い出をつづった、これはそう、――夏のこいものがたり。

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